名越啓介さんが写真展「BLUE FIRE」で限定製作した写真集を紹介します。
名越啓介の写真集『BLUE FIRE』
発行日:2014年2月14日
発行:少年写真クラブ
写真:名越啓介
編集:近田拓郎
デザイン:町田景
「青い光」を撮りたいと居酒屋で話し合っていた「少年写真クラブ」(下記参照)のメンバーは、当初、原発の燃料プールの中で観られるチェレンコフ光という「青い光」を撮影しようと話していたらしいのですが、最終的にインドネシアのイジェン火山の火口の溶岩から発生する青い炎を撮影しようという流れになった様です。
そして名越啓介さんは東急ハンズで撮影用の防毒マスクとゴーグルを購入し一人で現地へ向かい3週間ほど滞在。
その間、ゲストハウスや、硫黄を採取する現地労働者が利用するタコ部屋のような飯場に滞在し、ひたすら過酷な山道を上ったり下りたりしながら極限状態の中でシャッターを切り続けたようです。
少年写真クラブとは?
部長である立木 義浩さん(女優写真の第一人者)のもとに集まった写真の互助会。
部員は名越啓介さんと伊藤大輔さん(ブラジル在住でスラム街の写真を撮影している)というクレイジーな写真家。
書記はブックデザイナーの町田景さん。経理は編集者の近田拓郎(週刊プレイボーイ担当)という構成です。
少年写真クラブは、「風呂敷を広げるだけ広げて畳めない連中」「何らかの理由を作って集まって飲む集団」という別名があるのだとか。。。
写真集を観ての感想
この写真集は「BLUE FIRE」というタイトルではあるが、内容のほとんどがインドネシアのイジェン火山の火口でとれる硫黄で生計を立てる労働者を撮影した写真集である。
硫黄を採取する労働者は80kg以上の硫黄を背負って数キロに及ぶ山道を毎日何往復もする。
もちろん火口から発生するガスを一度に大量に吸い込むと死にいたるような過酷な職場で、労働者の平均寿命は40歳を超えることはほとんどない。
そんな過酷な労働条件の中で働く労働者たちやその家族の写真が多く掲載されているこの写真集は「SMOKEY MOUNTAIN」のように名越さんらしい作品だなぁと思いました。
そして、かなりの写真が掲載されていてとても見ごたえのある写真集です↓
「解説らしき雑談」という解説書?も付いてます。
ブックデザインもかっこよくとてもお勧めな一冊です。